絵の家

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「かわせみに会った日」

                             伊藤 阿二子
視界を掠めるものがあって
止まった処にそっと近づく

会えるかもしれない

ひらと飛び上がったのは
いつかもここで出会った
翡翠の背の鳥
水面に近く石の上に立つ
ややあって
もう一度飛び立つと
池の端から端へ
翡翠色の紙飛行機を投げたように
風に乗って流れていく

帰り道
未練でまた目をやると
もういちど向こうからこちらへ

二度の出会いはささやかな僥倖
目の高さより上を見なかった
その日の屈託を晴らしている


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