絵の家

今月の詩

1月の詩

「夕景」

                             伊藤 阿二子
陽が落ちて
低い西山の連なりが
まだシルエットに変わりきれない頃
河口近くの川面は
暮れ残る広い空の
淡いすみれ色を映し
流れることを忘れ たゆたう

川の両腕は
大きく広がって
水の中の生きているもの全てを
かこい 包み込む
釣りびとは
自然からの恩恵を受けても 受けなくても
川に抱かれて 
いっとき 点景となる


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